天野塗装  塗装と塗料

私の考える外壁塗装の10年基準

 

 10年ほど前、あるお宅を塗り替えさせていただいたときのことです。
カラートタンの外壁の錆び・埃などをサンドペーパーで落した後に、「シアナミド防錆材」を塗り、関西ペイントの「スーパーホルス」を塗って仕上げました。

 ところが、そのお宅は塗装後約2年で、なんと!アルミサイディングに張り替えてしまったのです・・・
私はとてもショックを受けました。
当店では良質な塗料を丁寧に塗装する事をモットーとしています。
「シアナミド防錆材」よりも安価な錆び止め塗料がありますし、「スーパーホルス」は合成樹脂調合ペイント(一般的にペンキと呼ばれる物)の中では良質なもので、決して最低の塗料ではありません。
どちらも、今なお多くのペンキ屋さんが使用している塗料です。
しかし、塗装後1・2年で光沢減・褪色(色が褪せてしまう)してしまいます。
この塗料ではいくら丁寧な塗装をしてもこの程度が限界なのです。

 この事がきっかけとなって「このままでいいのだろうか?」と私は悩み、20年前と同じ材料で同じ仕事をしている自分の仕事に危機感をおぼえ始めました。

 塗装というのはこんな物ではない!

 ペンキ「合成樹脂調合ペイント」を塗ってアルミサイディングよりも安いのは当たり前です。
自動車や橋梁に塗装してあるのも同じ塗装、だったらその良さをもっとアピールし、お客様に知ってもらおう!
ただ安くではなくカラートタンやアルミサイディングと同じ耐候性で値段はそれよりはるかに安くお届しよう。
私はそう考えました。

 

  そこで私はお客様からよく尋ねられる「これで10年位大丈夫ですよね?」に対して
  何をもって10年大丈夫とするかについて真剣に考えました。

 

その結果考え方は3つになりました。

  【1】10年経っても昨日塗ったようにピカピカで綺麗な塗装をする。
    どんなに高価な塗料でも(例えそれがフッ素でも・・・)汚れなども考えられ無理だといえます。

  【2】合成樹脂調合ペイントやアクリルで仕上げて、2年〜4年で艶引けした後8年位我慢してもらう。
    2年〜4年で艶引けしてしまうのでは塗装する意味が有りません。
    やはり塗り替えを行なう以上カラートタンの塗装と同等かそれ以上の性能が必要だと思います。

  【3】ウレタンやシリコンで仕上げて5年〜7年は余り変化無く、その後徐々にいたみが目立ちだし
    10年後に塗り替え時期が来る程度。

    車両用・橋梁用ウレタンや良質なシリコンで塗装する。
    これは私の経験では5年〜6年は殆ど塗った当初と変わらない光沢を維持しております。

上記のことから【3】が10年基準としてはバランスが良いと思われます。

 

外壁を8年〜10年で塗り替えるのは早過ぎるとお考えの方へ

 自動車・飛行機・鉄塔・電車・架橋などには大変良い塗装が施してありますが、いずれ塗り替えが必要です。

  例えば良質な塗装がしてある自動車でさえもも10年位の間ワックスがけ、洗車等を一切せずに雨ざらしにしておけば色も褪せますし、チョーキング(手で触ると塗装の劣化した粉が手に付く現象)も起きますし、錆びも出ます。
ですから、10年しか持たないのではなく、丁寧な塗装仕様で塗装をしてこそ8年〜10年もの間何のメンテナンスもせずに済むのです。

(知識不足やいい加減な塗装仕様では1,2年で変化がおきる)

 それに8年〜10年ごとにお金がかかるということも事実ですが、色を変えて建物のイメージチェンジができるというのも事実です。

  これが塗装が最も得意とする保護と美観の性質です。
(物体はどんなに強いものでも手入れなしでは、汚れますし、傷みます)

 傷む前に塗装で建物の美観の維持と保護をしましょう。

 


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