天野塗装  木部塗装の解説 

 

当店が良く請ける仕事の1つで、壁がアルミサイディング(一般的にはポリエステル焼付け
もしくはフッ素塗装)なのですが、3年位で足場を架けてトタン部分(水きり等)、雨戸、
軒天井、樋、木部等の部位を塗り替えるという仕事があります。

これではなんのためのアルミサイディングなのでしょうか?
(お客様は大変高額な料金を払ったのに)これは単なる一点豪華主義ではないでしょうか?

建物は壁だけではなくそれぞれの部位からなりたっておりますので、家全体同じように
耐候性をもたせるのが重要です。
ですが、わたしの経験した限りでは木部に関しては(特に破風板)は2年から3年で
必ず塗替えが必要です。
何故なら木は水分を含有しており、気候・温度・湿度の変化により絶えず吸収・放出しています。
このため木が動き(膨張・収縮)塗膜がこれに追随できないため、割れて剥がれてしまうからです。

そこで当店では外壁に耐候性の良い仕上げを施した場合は特に剥がれやすい破風板に
(※コールタール等の)防腐剤を塗った後、銅板・ステンレス・カラートタン等を張ることを
お薦めしております。

※木に銅板等を張ってしまうと雨上がりなどに中の木が蒸れて腐るおそれがありますので
 腐り防止のためコールタールもしくは防腐材を塗装することが必要です。
  尚、この工法ならば半永久的に良いというものではありませんので8年〜10年で
 壁等を塗りかえる・洗う時に点検・塗替え・補修・取り替え等が必要かと思われます。

 

☆破風板に銅板を張るのはコストがかかるとお考えの方は調合ペイント(OP)をお薦めします。

調合ペイント(OP)とは

 破風板  
油性ペイント(OP)は一般塗料の中で、
最も歴史の古い塗料の1つであります。
昔から「ペンキ塗り」と称して親しまれ
普及してきた塗装は、このOP塗りをさします。
OPは、ボイル油(アマニ油、大豆油などの
乾性油・半乾性油を加工し乾燥性を強めた油)を
各種顔料と練り合わせ、流れ止め剤などの
添加剤を加えた、酸化重合による自然乾燥型の
塗料です。
また、OPは顔料を含む不透明塗料であるため、
塗膜に色彩をもち、素地を完全に隠ぺいする仕上げとなります。 

 

施工例として、文化財の指定を受けている明治時代以降の木造洋館等の建造物には、
OPの塗装が施されており、現在でも屋内・屋外ともその修復にOPが用いられている。

長所:古い塗膜によく付着する/湿度・温度に対する影響を受けにくい

短所:乾燥が遅い/塗膜の光沢があまり無い

一般的にOPの場合、塗膜の劣化に伴い光沢が消失して表面が粉末状になる(チョーキング)が、
素地に対する追従性に優れるため割れ、剥離が発生しにくい。
チョーキングがあまり進まないうちだと塗り重ねが可能で、旧塗膜の剥離作業を必要としない
効率的な塗替えが可能です。

塗替え周期:3年〜5年

1993年11月号建築知識より  

 


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